案件紹介

著作権侵害訴訟及び不正競争紛争事件二審で網易に5000万人民元を賠償する判決

11月30日、広東省高級人民法院は広州網易公司、上海網之易公司会社より深センミニゲーム公司を訴えた著作権侵害及び不正競争紛争事件について終審判決を下し、深センミニゲーム会社の行為が不正競争に該当すると認定し、判決でゲーム中の230の権利侵害要素を削除し、網易会社に5000万元を賠償することを命じた。調べによると、これは中国国内のゲーム権利侵害紛争事件で判決を下した最高賠償額である。

「Minecraft」(中国語名:我的世界)は、スウェーデンのMojang社が2009年に開発し全世界を風靡したサンドボックスビデオゲームで、2016年5月、網易公司は同ゲームの中国エリアでの独占運営権を獲得し、如何なる知的財産権侵害行為や不正競争行為に対しても権利保護を行うことができると宣言した。一方、深センミニゲーム社は同月、携帯電話Android端末で「ミニワールド」をアップロードし、その後、携帯電話ios用アプリやパソコン用アプリを相次いでアップロードした。2019年、網易公司は深セン市中級人民法院に訴訟を提起し、「ミニワールド」の複数のゲーム核心要素が「Minecraft」をコピーし、両ゲームの全体画面が非常に類似しており、著作権侵害及び不正競争に該当するもので、ミニゲーム社に対し権利侵害の停止、影響の除去、5000万人民元の賠償等を命じるよう法院に訴えた。深セン中級法院による一審では、「ミニワールド」が著作権侵害に該当するとの認定を下し、ミニゲーム社に権利侵害となっているゲーム要素の削除と網易会社に対し2113万元余りを賠償するように命じた。その後、双方とも判決を不服とし、広東高級法院に控訴した。

広東高級法院は、2つのゲーム全体の画面が撮影に類似した手法で作り上げた作品、即ち新著作権法の「視聴作品」に該当するもので、両者の類似点はゲーム画面ではなくゲーム要素の設計であるため、網易公司の著作権侵害に関する訴訟請求を却下した。また、法院では「ミニワールド」と「Minecraft」は遊び方やルールにおいて極めて似ており、ゲーム要素の細かい部分に多くの類似点があり、すでに合理的な見本の限度を超えている、ミニゲーム社はゲーム要素の設計を剽窃する形で、他人の知的成果中の重要で核心となる個性的な商業価値を直接かすめ取り、他人の経営利益を不当に横取りする手段でビジネスチャンスを奪い、不正競争に該当するとの判断を示した。賠償額の確定において、法院としては、ミニゲーム社が権利侵害側として、経営所得関連データを把握しているはずだが、正当な理由がなく法院への提出を拒否したため、不利な推定の法的結果を負うべきとし、第三者プラットフォームより示された「ミニワールド」のダウンロード件数、収入データ等の優位性証拠を基に、様々な方法を総合的に計算した結果、いずれもミニゲーム社の権利侵害によって得た利益が網易公司の請求額よりも遥かに超えていることを示しているため、その賠償請求額を全額支持した。

微信图片_20230320142651.png